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40男がひとりでフィンランドに行ってきた 第3回 サウナは海に飛び込むのが当たり前? 真冬のバルト海で道産子頑張る

97 view更新日:2020年03月14日 情報提供:マイナビニュース

フィンランドというと、ほぼ100%の人が「ムーミン」、もしくは「マリメッコ」を思い浮かべるのではないだろうか。しかし、その魅力はムーミン、マリメッコだけに限らない。首都ヘルシンキと北海道の新千歳空港が直行便でつながったということで、実際に行って魅力や見どころを探ってきた。

異国を旅する醍醐味は、その国の文化を知り、触れるところにある。そして、フィンランドの文化というと、やっぱり「サウナ」は外せない。

実際、宿泊したホテルにもあった! が、せっかくなので、もっと地元の人で賑わう"本場"を体験しようと、2016年にオープンした公共サウナ「Loyly(ロウリュ)」まで足を伸ばしてみた。

人気の最新サウナに行ってみた

ヘルシンキの中心街から「ロウリュ」までは約2km。トラム(路面電車)とバスを乗り継いで行く。

ヘルシンキのバスは日本のように次の降車駅がアナウンスされない。それを乗車して初めて知り、「どこで降りたらいいの?」と不安になったが、ロウリュは外観が個性的で、その存在を視認してから降車ボタンを押しても十分に間に合い、難なくたどり着くことができた。

ヘルシンキ沿岸にあるロウリュは男女共用の公衆サウナで、料金は2時間の予約で19ユーロ(約2,280円)。サウナの利用には水着の着用が必須で、施設にはカフェレストランも併設されている。

フィンランドのサウナは、水の入ったバケツが必ず置かれていて、その水をサウナストーンと呼ばれる熱せられた石にかける。施設名になっている「Loyly(ロウリュ)」とはフィンランド語で、熱した石に水をかけることで発生する水蒸気のこと。

フィンランド式サウナは、この「水蒸気=ロウリュ」によって体感温度が上がり、汗がどっと吹き出てくる。日本でよく見かけるタオルなどであおぐことはなく、そのスタイルは厳密には"ロウリュ"ではなく、「アウフグース」というそうだ。

サウナがオープンするまで少し時間があったので海側のテラスに出てみると、サウナと思われる場所からつながる動線の先に気になるものを発見。これってまさか……?

そう、サウナで温まったら隣接するバルト海にドボンと入るのが「ロウリュ」のスタイル。こういうのはTV番組の企画だけかと思っていたら、フィンランドでは水風呂の代わりに海や川に入るのが、当たり前のことなんだとか。

実際、サウナに入ってみると、皆が皆、蒸気で体を温めてはどんどん海へと向かっていく。

12月の極寒の海。覚悟を決めて入ってみたものの、すぐに肌を刺すような寒さを感じて数秒でギブアップ……。正直、心臓が止まるかと思った。

ところが、サウナで体を温め直して再び海に入るのを繰り返していくと、どんどん体の芯から温まっていくのを感じて、海に入っていられる時間も長くなっていくから不思議。これが"ととのう"という感覚なのかしら。

心にゆとりがでてくると、今度は深くて足が届かないことに不安を感じたり、一方で広大な海に抱かれる開放感を心地よく感じたり。あの複雑な感覚は、これまで味わったことのない体験だった。

本場のサウナは室内が真っ暗で、テレビもなければ、砂時計もない。フィンランドではサウナがコミュニケーションの場となっているそうで、「ロウリュ」ではそれを裏付けるくらい、たくさんの会話が飛び交っていた。

温泉にも似た印象を受けたが、フィンランド式サウナの方が汗をかいて体を温めている分、出た後にスッキリとした爽快感があり、湯冷めすることもない。日本のヒリヒリ熱くなるサウナは苦手だが、本場フィンランドの水蒸気にはすっかり魅せられてしまった。
○デザインの国のルーツはここにあり?

フィンランドといえば、北欧デザインでも有名。「自然、シンプル、質素、美と機能性の調和」あたりが特徴だろう。実はヘルシンキ郊外には「イッタラ&アラビア デザインセンター」という施設がある。

フィンランドを代表するテーブルウェアブランドの「イッタラ」と「アラビア」は現在、「ロイヤルコペンハーゲン」や「ウェッジウッド」といった名高いブランドと共にフィンランド最古の企業、フィスカースの傘下。

そして、アラビアの工場跡地にイッタラ&アラビア デザインセンターは建てられ、フィスカースの本社もセンター内にあるのだ。

センターには無料で見学できるミュージアムとショップがあり、ミュージアムでは「アラビア」「イッタラ」の歴代のシリーズが年代順に並べられていて、両ブランドのデザインの変遷を知ることができ、デザイナーたちの貴重なアート作品も展示されている。

ここを訪れる際は、ぜひガイドツアー(要予約)に参加するのをお勧めしたい。

金額が10人まで1人40ユーロ(4,800円)、10人以上からは1人4ユーロ(480円)と少し高めに感じるかもしれないが、ガイドツアーでのみ同センターにいる9人のアーティストのアトリエを見学することができたり、ショップで使える割引券がもらえたり、その価値は十分にあると思う。

何より製品の変遷を見ながら、2つのブランドがたどってきた歴史を聞けるのは、フィンランドがデザインの国と呼ばれる由縁を知る機会にもなるだろう。

特に印象的だったのは、「アラビア」と「イッタラ」の原料となっている土や砂は国外のものであるということ。日本ではその土地の土を使って陶磁器が作られることが多いが、両ブランドは地元の原料で勝負できない分、デザインで勝負するという道を歩んだという。

フィンランドのデザインは一朝一夕でオシャレになったのではなく、長い歴史の上に成り立ち、それを今も研鑽し続けている。それがよく分かるはずだ。

ちなみにフィンランドのデザインに対する意識の高さは、他でも至る所で感じた。中でも分かりやすかったのはトイレで、日本では水を流すレバーやボタンは「大」「小」と文字で分けられているが、フィンランドのホテルや飲食店で見かけたトイレは全て文字がなく、凹凸の幅の広さや長さなどで表現されていた。

理解するまでに少し時間がかかったが、一度仕組みが分かるとその後は考えることなく対応できる。言葉を使わず、言語の垣根を越えたデザインによってコミュニケーションが図られていたフィンランドのトイレ。

これ、日本だと苦情が来て、「大」「小」のシールが貼られたりするのかな。そう考えると、デザインの国を支えているのは、フィンランドの人たちのおおらかな国民性があってこそなのかもしれない。

取材協力:フィンエアー、フィンランド政府観光局

※記事中は1ユーロ=120円で換算

筆者プロフィール: 児玉源太郎

1973年生まれ。友人とフリーペーパーを創刊したのを機にライターとなり、幅広い分野の制作物を手掛ける。近年はクリエイティブディレクターとしても活動。コミュニティFMの洋楽番組「週刊ウーロック」のDJも務める。

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