グランモール公園や山下公園では大道芸人が楽しい大道芸を披露する中、異彩を放つハンガーマン!【連載第2回】 - tabico

グランモール公園や山下公園では大道芸人が楽しい大道芸を披露する中、異彩を放つハンガーマン!【連載第2回】

見事なパフォーマンスで海外遠征も実施する大道芸人のハンガーマン。素顔は紳士的でシャイな男性だ。実は元サラリーマンで、劇団員だった過去も。

851 view更新日:2014年11月14日 情報提供:はまれぽ.com

プロフェッショナルの矜持

ステージではMU-RAさんのパフォーマンスが進んでいた。子どもたちは地面に腰を下ろし、彼のパフォーマンスに見入っている。先ほどは人通りも疎らだった山下公園。しかし今では、通りすがる人が足を止めて彼のパフォーマンスを見学し、にわかに人だかりができ始めていた。一つひとつのパフォーマンスに拍手や喝采、そして笑い声が響き渡る。そしてパフォーマーと観客のコール&レスポンスの繰り返しで、場が熱を帯びてきた。

MU-RAさんのボールジャグリングに夢中の少年

「ディアボロ」では何度も空中にコマを放り上げる

額の上に一輪車を乗せてバランスをとるMU-RAさん

山下公園でパフォーマンスを行う大道芸人の一回の持ち時間は60分で、その内30~45分パフォーマンスを行うことになっている。ファーストステージのMU-RAさんのパフォーマンスが佳境を迎えだした。自分の順番が近づいてきたため、ハンガーマンもパフォーマンスの準備を始めた。

紅白のキャリーバッグには道具が一杯に詰まっている

一回のパフォーマンスで多くの道具を使用する

そして12時15分過ぎ。ハンガーマンのステージの順番が回ってきた。ステージの準備中、スピーカーからBGMが流れる。楽しげな音楽に呼び込まれるように徐々に人が集まってきた。

ステージに道具が出され開演準備が進む

着々と準備は進み開演4分前に

ステージの準備中に流れていたBGMがやんだ。いよいよハンガーマンのステージが始まる。いつの間にか50人以上の観客が辺りを取り囲んでいた。少し遠目に見ている人も含めれば、その人数は更に膨れ上がるだろう。そして最初のパフォーマンスのローラーバランスがキマると、観客の大きな拍手が場を包んだ。

ローラーバランスに思わず立ち止まる人も

ハンガーマンのパフォーマンスの構成は主に、ローラーバランス、デビルスティック、ディアボロ、一輪車、の4つだ。それぞれの技に独自の改良を加え、パフォーマンスを行っている。

ハンガーマンの技の中で、最も難易度が高いパフォーマンスがローラーバランスである。少しでも濡れていると滑ってしまうため雨の日にはできなくなるパフォーマンスであるが、ハンガーマンはこれをステージの一番初めにやることにしている。観客の視線を釘付けにすることができるからだそうだ。

また、スティックを3本使って行うデビルスティックと呼ばれる技がある。両手に持ったスティックで残りの1本の棒を叩き、浮かせたり、飛ばしたりするジャグリングの1種であるが、ハンガーマンはこれをラケットで行う。2本のスティックを自在に操って、1本のラケットを浮かせたり回転させたりするのだ。

テニスラケットでのデビルスティック

そして、2本のスティックに通した糸でコマを操るディアボロと呼ばれる技では、スティックの1本をハンガーに代えて行っている。どれも基本の型が仕上がっているからこそできるパフォーマンスだ。ちなみにハンガーを使ってパフォーマンスを行うのは、練習の遊びがきっかけになったという。自分でやっていて面白かったからこそ、パフォーマンスに取り入れることにしたそうだ。

ハンガーを使って行われるディアボロ

ローラーバランス、デビルスティック、そしてディアボロとハンガーマンが次々と技をキメていく。

技の最後に繰り出されるキメのポーズ

その度に観客の拍手が沸き、その活気にひきつけられるように更に観客は増えていった。

軽々と技をキメているように見えるが、やはり状況によっては失敗をすることもあるという。そのため、メンタル・フィジカルともにコンディションを調整するのが大切で、中でも寝不足は大敵である。しかも人は起きてから体が上手く動くようになるまで5~6時間かかるそうだ。

ハンガーマンはその日のパフォーマンス開始時間から逆算して午前7時には起きるとのこと。ちなみにヤンキースのイチローも試合から逆算して6時間前に起きて、コンディションを調整するらしい。当たり前のように行われるパフォーマンスの裏には、プロフェッショナルとしての努力が隠されていた。

観客にレスポンスを求めるハンガーマン

高い一輪車に乗ってのジャングリング

怒涛の勢いで、次々とパフォーマンスが繰り広げられていく。観客の入れ替わりこそ何回かあるものの、次々と人々が足を止めては新たな観客が増えていった。実際の経験を通じて組み立てられてきたハンガーマンのパフォーマンス構成。

しかしこれまでの大道芸人のキャリア全てが順調であったわけではない。

プロフェッショナルとしての飛翔

初めての海外挑戦となったフランスのアビニョン。街で行われる演劇祭に合わせて、街のあちらこちらで3週間に渡り大道芸も開催される。初の海外でのパフォーマンスで自信のなさが伝わったのか観客の反応が芳しくなく、築き上げてきた自信が崩れ去った。しかしその後も、スコットランドのエディンバラやオーストリアのリンツ、そしてイギリスのニューカッスルなどの海外でパフォーマンスを行うことで、多くの経験という武器を手に入れた。

ハンガーを顔にくくりつけてローラーバランス

海外では道具を広げるだけで人だかりができ、腰を下ろしてパフォーマンスの始まりを待つ人が多いらしい。また言葉は通じなくても、素晴らしいパフォーマンスを行えば、きちんとした評価が返ってくる。その素直な反応が気持ちよかったという。

そしてエディンバラのカメラマンが地元のパブで行った個展にハンガーマンの写真が飾られたり、BCCのニュース映像の素材として使われたりもした。香港のイベントでは500人近い観客の前でパフォーマンスを行ったこともある。多くの経験を通し、ハンガーマンはプロの大道芸人としての芸に磨きをかけていった。

ジャングリングをしながらのローラーバランス

パフォーマンス終了後、大きな拍手に包まれる

パフォーマンスが終了してチップを入れる子ども

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